文章

マンガテキシュホウ

きのう昼寝をしていたときに、夢の中でマンガを読んでいたんだけどそのマンガが割と面白かったので設定と内容をメモしておきます。 夢の割にはなかなか構成もしっかりしている。 キャラ立ても。

1

私が初めてインターネットに自分の谷間の写真を上げるようになった高校2年生の夏、母親が手をかざして私に念を送るようになった。生まれつき体が弱く、食物アレルギーと軽いアトピーと喘息を持つ私は何かとすぐに倒れたり寝込んだりしていたけれど、「私そっ…

涙子

るい子は毎日泣いていたので、涙とかいて涙子になった。大人になった涙子の目からこぼれる涙をみたひとは誰もいなかったけど、涙子は心の中でいつも、上手にぽろぽろと涙をこぼしていた。あんまり上手に心の中で泣くもんで、現実に涙をながすことなんてもう…

指子

ゆびこはその時をいつも心待ちにする。早く、はやくはやくはやくう、あああ、はやくうと、電車の中でうずうずとするのだ。はやく家に帰って、爪をきらなくっちゃ。爪がのびて指先の肉を超えて、白い月のようなカーブが満ちてくると、指先がだんだんと重たく…

30だいもすぎたころに

私あの時しんどいたらよかったのに、かわいそうで不幸なままでうつくしく死ねたのに、生きちゃったの、幸せになりたかったの、幸せになろうとしちゃいけないの?幸せになろうとするとみじめになるの。美しくない、んじゃないの。ださい。ださいの。どうしよ…

友人Aのケース

Aは18歳で妊娠して結婚して子どもを産んだ。相手は2つ上の先輩で、高校を中退して塗装業についていた。絵にかいたような夫婦だった。Aは21歳で離婚した。そうしてすぐに年下の彼氏をつくった。HPをつくって子供とのプリクラをあげた。ご飯を作った写真をあげ…

紙子

紙子はいつでも手の届くところにあるものだけで生きていけるのだと恰好を付けて笑ってはみるものの、本当はそんなことは無理だと言う事がきちんとわかっていた。お財布と携帯電話とマスカラとコンタクトレンズがあれば、どこにでもいけると思って生きていく…

冬の感傷

冬は感傷に浸るに適した季節だ。涙から湯気が立ちのぼるのを見るだけでなんだかドラマのワンシーンのようだ。マフラーに鼻までうずめてぼろぼろ泣いている自分にすこし笑いがこみあげる。湯気が立ちのぼる熱い涙が頬の上で外気に触れて急激に冷たくなった。…

みどりちゃんのふしあわせ 2

完結です。

みどりちゃんのふしあわせ 1

以前文学フリマで出した小説です。

初恋の人

私は「初恋の人」だ 思い出の中でだけきれいな不可触の恋 不完全な想いはかたちにはならないまま きれいな笑顔で私の心をすべりおちていく あなたの心の中にある唯一の不可侵な清浄の部屋に 閉じ込めて鑑賞するだけの恋 私の肉体を無視した実らない恋

キャンディハイウェイ 甘いマシンガン

始発電車

リスペクトーのインスパイヤーのオマージュのサンプリングという名の

夏子は自分がいくら心を砕こうとも、理解のされない事実のあることを知っていた。自分の愛情や親切が通じることがない事実の存在することを知っていた。諦観という言葉を知る前に、彼女はいくつもの事実に対して諦めていた。

絢子

絢子はいわゆる、地味でおとなしい少女だった。悩みは量が多くてかたい髪の毛と、極度のアガリ症であることで、人とのかかわりがあまり得意ではなく、自分の思ったことを相手に上手に伝えることができなかった。絢子は自分が嘲笑の対象になることにも甘んじ…

いけすかない女がいるのよね。たいして可愛くもないのになんでだかいつもどこかしら男の影をにおわせて、友達もそれなりにいて、趣味のカフェ巡りも充実して、仕事はそれなりにお堅い銀行の事務員で、休日は同期のみんなでのんで、食べて、遊んで、自分のこ…

彼女のだいじなふしあわせ

彼女は、ふしあわせさに縋るようにして毎日を過ごすように見えた。日常的に起こる些細なできごと、ごくありがちなふしあわせさをも、彼女は自身のふしあわせさの糧にした。事実、彼女はあまり運のいい人間でもなかった。ごくありがちなふしあわせな出来事で…

すいかのおもい

君が僕を一番好きじゃなくっても、僕が君を一番好きだからいいんだ。 誰も僕を愛さなくても、僕は愛しているからいいんだ。 僕が死んだとき誰も悲しまなくっても、僕は彼が死んだとき心から悲しんだからいいんだ。 誰も僕を忘れてしまっても、僕は忘れないか…

甘言

「辛いならうちにおいで」 携帯電話ごしの声を左耳でうけとった。 「今は何もしなくていいんじゃない」 指先がふれて、たどるように手をつなぐ。 「不安ならよりかかっていいよ」 うなじに優しい言葉と熱い息がかかる。 「怖いなら目を閉じな」 左手で私の髪…

はしるはなし

大田先輩はこう言った。 「夏の夕方にですね、足元をみつめながらジョッグしているとどんどん自分の意思で走っている感覚からずれて、地面がシュルシュル動いているように感じるんです。ちょうどルームランナーの上を走っているのと同じ感じですね。自分の意…

僕たちは初めて、抱きしめあった。

「思えばさえない人生を送ってきたもんだワ。」 彼女とお酒をのむときはいつもチェーン店で、ざわついた雰囲気の、机や床がベタつくような居酒屋である。僕は箸を逆に持ちかえて串焼きをすべて串からはずしながら、座敷の向かいに座る彼女のため息を受けた。…

出会い

ご飯を食べに行こうと思いついてすぐに、雨の降る中車を出した。運転をした分ガソリン代を払ってねという母親の声が私の背中にそっと張り付いた。母親の脳が委縮し始めているときいたのは一週間ほど前だ。主治医の高野先生は表情を変えないでいった。症状の…

夏子2

夏子が男に乱暴されかけたのは中学1年生の7月だった。夏休みに入る直前で、あまり大きな騒ぎにはならずに済んだ。ただやはり小さな狭い町だから、どこかからまことしやかに噂が流れた。ひそひそとした声は嫌でも耳に入った。ただでさえ傷ついた夏子は、さら…

夏子

年老いた両親が笑顔でむかえるこの町に帰るのを、なぜ拒もうとするのか。年老いた両親という現実をうけとめられないだけなのかもしれない。古びた扇風機がたてる首振りのカタカタとした雑音が煩わしいのかもしれない。肩甲骨までのびた黒い髪と、白いワンピ…

結末

僕はここから出ていこうだなんて思ったことはないんだ。幸福の町の中で育ってきた。あたたかくて冷たい他人を愛しているし、面倒な付き合いや親切心も無関心さも僕を育ててきたのだ。僕はここから出ていこうだなんて思ったこともないんだ。どの町へいったと…

すきってなあに!おしえておんなのこ!

「クラムボンがかぷかぷ笑ったよ」 ○人魚姫が難破した船から王子様を助けたのに王子様はそれに気付かないで介抱した娘と結ばれるけれど、それじゃあ人魚姫が王子様を助けたことに気付いていたら王子様は人魚姫を選んだのだろうか、命を助けてもらったことが…

海へいこう

「お」 「よ」 「ひさしぶり?」 「かな?」 「いつぶりだろ」 「んー5月?の頭くらいか」 「けっこうたつね」 「うん」 「元気だった?」 「まー、健康かな。そっちは」 「健康」 「いいね」 「今日は仕事だった?」 「夕方までね。そっちは?」 「バイト…

彼について

※障害を持つ方などに、不快な思いをさせるような表現があります。ご気分を害される方がいらっしゃるかもしれません。時代考証などもされておらず中途半端な知識と設定で曖昧になんとなく書きたいようなものを書いています。事実ではありません。ただなんとな…

カニバル

食前酒はなみだでいいよ つめたいゆびにしゃぶりつくと ぴんくのつめは角砂糖のよう ここちいい といきのもれる 赤いくちびるはメインディッシュ! デザートはしたざわりのいい あなたのみどりの め がいいな

ばーじんはーと

私は21になりました。大概の事を割りきることが得意になって、人混みにいら立つくらいに心がすさみました。これがなんとなくあなたへ話しかけるような形式をとったのは、あなたへ伝えたい言葉があったからではありません。私はあなたに言われた言葉を、自…