かいがら

火葬が終わり親族が呼ばれ小さな個室にあつまった。親族にかこまれた鉄板の上に乗った骨をみた。葬儀場の職員がひとつひとつの骨をひろいあげて、骨の説明を丁寧にした。年齢から考えて、骨がきれいに残っているといった。見下ろすと熱がたちのぼり、からからに乾燥した骨はかいがらのようだった。祖父の足には鉄の棒が入っていた。こまかくくだかれたような骨の足元のあたりに転がる鉄の棒を見た。鉄の棒は骨壷には入れないよう、と叔母が答えた。うまれたままのからだだけをおさめた。大きめの骨にほんのりピンク色がついているのを見て、なぜ色づいているのかと職員に尋ねると、それは棺に添えた花の色が付いたのだといった。きれいなおはなといっしょに燃えたんだね、じいじ。叔母がハンカチで目じりを拭った。妹とふたりで骨をひろった。とても軽かった。かいがらにとてもよく似ていた。