なつといっしょにおわるはなし

わたし庇護欲掻き立てられる女の子になりたかった
うえからおしつぶすみたいにぎゅうっとされる女の子になりたかった
わたしの思考なんかおしつぶして言葉なんかさえぎってぎゅうってされたかった
わたしの、ひとりでたってるところに、すりよるみたいなの
わたしをまくらみたいにする
あまえるように胸にかおをうずめる
わたしにつむじなんかみせないで
男の人のあたまをだきしめるいとしさはあかんぼうみたい
だきしめてるんじゃなくてしがみついてるみたい
傷ついたかおしてあまえてこないでよ
わたしいやしたくなんかない
きずつけあいがしたいだけ
きずついたかおしないでよ
わたしのかおみないで胸にかおうずめてないでよ
うしろからしがみつかないでよ
だきつかないでだきしめてよ
わたしがつきはなしても、きずついたままだきしめてよ
「脈がないね」ってわらわれたわたしの、ゆるくにぎられた手首は
さみしい温度をしってしまった