古本屋

この間出かけた時少し時間が余っていたので通りをプラプラと歩いていたところ、古本屋があったので時間をつぶそうと店に近づくと、軒先に、カートにつまれた古いビデオやいくつかのダンボールが並んでいた。そのダンボールのなかに無造作に、20冊くらいでひとまとめにしてビニールテープでしばり「300」とだけかいた付箋をはりつけたものがいくつか投げ込まれていた。そのはじっこに、望月花梨の「スイッチ」という漫画があった。私は望月花梨がとても好きなんだけど、初めて読んだのは中学生の時に姉が買ってきた「スイッチ」だった。それがきっかけでハマって集めはじめたというのに、その「スイッチ」がどこかにいってしまったので、手元にはなかったのだ。ブックオフにいってもなかなかみつけられなかった、その漫画が!ここに!とすごく驚いて、元気になって、でもどうしよう、ほかの20冊くらいは、いらないな、と思いながらウロウロして、店内に入ると、店主が倉庫からおもむろに顔を出した。そこで私は「すいません、外でまとめて売っている漫画なんですけど、欲しいものだけ売っていただけませんか」というと、「え?なになにどれどれ」と店主はダンボールをのぞいて、「どれなの、これだけほしいの?まあこんなにはいらないわなー!」と笑った。「そうなんです、これだけ欲しいんですけども」というと、「いいよーもってきてー」と快くいった。1冊50円だった。品揃えがよく、なかなか古いものまであって、(扱いはかなり悪かったけれど)通ってしまいそう。