怪獣

朝、目が覚めると、怪獣になっていた
だけど怪獣になっていることに違和感を感じているのは僕だけで、お母さんは僕に朝ご飯をよういしてくれた
僕は怪獣なので、お母さんの作ってくれたご飯はたりなかった
街を歩くと、ずしんずしんといった
電柱がゆれた
サラリーマンがよろけて、おばあさんのメガネがずれた
それでも僕が怪獣になったことに誰も違和感を感じていないようだった
学校についても、ぼくは怪獣のままだった
どうにも過ごしにくくて、ぼうっとしていたら、僕のだいすきな鈴木さんが登校してきた
すてきな笑顔で、おはよう、といったので、ぼくは恥ずかしくなってかおをそむけた
鈴木さんは僕のことを見上げた
「ねえ、こんなにおおきかったっけ」
鈴木さんだけが僕の変化に気づいた